シーサー [田頭]

更新日:2023年02月01日

台座と案内表示の柱の横に、小さな石の像が置かれている写真
  • 地域:田頭
  • 種類:シーサー
  • 状態:現物があります。見学できます。
    • 文化財標柱(2009年1月設置)
    • 文化財説明板(2014年1月設置)
表面がデコボコしている小さな石像を近くで撮影した写真

田頭の石獅子は二頭あり、二つとも頭のみの石獅子である。

 このシーサー(石獅子像)は、字田頭に設置された2体のうちの一つで、集落の西端に位置し、西の彼方からやってくるあらゆる災厄から集落を護るために置かれているのだという。

 もう1体は、ここから北東向け200メートルほど離れた集落内の住宅脇に置かれ、シジ(霊力)高い場所だという字与根の数珠森(ジジムイ)に向けられている。

 2体とも頭部のみの簡素な造りのシーサーで、伝承によれば200~300年前に造られたものと伝えられ、古くから集落の護り神として大切にされてきた。

 実際にこのシーサーには、沖縄戦で戦車に危うく攻撃されそうになった状況から人々を救ったという逸話が残されている。

 1945年(昭和20)6月中旬、瀬長島方面からアメリカ軍が集落内へ侵攻してきた。そのとき田頭の人々の多くがシーサー像の後方に連なる丘陵地の避難壕の中で息を潜め隠れていた。そこへ一両の戦車が進路を向け進んできた。しかし戦車は途中にあったこのシーサー像に車体の底を乗り上げてしまい立ち往生、何度か踏み越えようとするがその度に阻まれ、前進できなくなった戦車はやむなく向きを変え、人々は難を逃れたという。

 田頭のシーサーは、地域で大切にされてきた民俗文化財として紹介されることはもちろん、進撃する戦車から人々を護った沖縄戦の生き証人として、現在でも広く語り継がれている。

英訳文

 This Shiisa is one of the pair stone lion figures of the Tagami community. It is located at the westernmost point of the community to ward off all evils and calamities that come from the west.

 Its pair is located in a residential area approximately 200 meters northeast from here, facing the Juzumui grove of the Yone community which is said to house strong spiritual forces.

 According to legend, these lion figures were made 200 to 300 years ago. Since olden times, these Shiisa have been treasured as the community’s guardian deity.

 In fact, a tale gives an account of how the Shiisa saved the lives of people from an armored tank attack during the Battle of Okinawa.

 In mid-June of 1945, the U.S. forces advanced towards the village from Senaga Island. Many of the people of Tagami hid inside the evacuation shelters along the hillside located behind the Shiisa. One tank headed towards the shelters, but its path was impeded by the stone lion. Over and over again, the tank tried to drive over the Shiisa but without success. The tank ultimately gave up and turned back. The people were saved from attack.

 The story continues to be told as testimony to how the Shiisa guarded the people from an attacking tank.

参考文献

  • 豊見城市教育委員会 2014『田頭のシーサー(石獅子像)』文化財説明板
  • 豊見城村村史編集委員会 戦争編専門部会 2001『豊見城村史 第六巻 戦争編』豊見城村役所
  • 豊見城市市史編集委員会 民俗編専門部会 2008『豊見城村史 第二巻 民俗編』豊見城市役所
田頭のシーサー(石獅子像)の説明図

文化財説明板の文面

車道の横の敷地に、小さな石像と台座と案内表示が並べて置かれている写真

説明版の置いてある場所は通り沿いです。

石でできた台座の上に、くずれかかったシーサーの顔部分が置かれている写真

集落内に鎮座している石獅子も顔のみのタイプです。

うっすら水が流れている砂地と、その奥に木々の茂みや岩山が見える写真

集落内のシーサーは、与根にある数珠森(ジジムイ)に向いているといわれる。
二つの山が数珠のように見えるので、数珠森と呼ぶとも云われる。

地図

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作成日

平成29年3月31日

この記事に関するお問い合わせ先

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