シーサー[渡嘉敷]

更新日:2023年02月01日

緑色の案内標と、白い説明版に囲まれるように、風化しかかった石の置物がある写真
  • 地域:渡嘉敷(とかしき)
  • 種類:シーサー
  • 行事:門中単位 旧歴1月1日 旧正月、旧歴5月
  • 状態:龕屋の跡地になり、拝所が造られています。見学できます。
    • 文化財標柱(2002年12月設置)
    • 文化財説明板(2016年2月設置)
「渡嘉敷のシーサー」と書かれた標識の奥に、石の置物が置かれている写真

移設前のシーサー(1997年)

表面にデコボコした穴が開いている、シーサーの顔部分を撮影した写真

シーサーの顔

顔部分がくずれかかっている、小さなシーサーの置物全体の写真

シーサー全体

 集落に置かれるシーサーは、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気をはね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【丘陵や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。字渡嘉敷に位置している。このシーサーは、集落の南側にそびえ立つ保栄茂グスク(西御嶽付近の大岩)に向けて立てられたのだという。

 保栄茂グスク付近にある大岩が、大きく口を開けて「渡嘉敷クワークワー(渡嘉敷集落を食おう)」としているように見えるので、その返しの魔除けとして建てられたと伝えられている。また村に火事が多かったのでその火返しの魔除けとして建てられたという伝承もある。

 渡嘉敷のシーサーは、戦前から近年まで集落の中心を通る市道123号線沿いにあった。通常、石獅子は集落を外の災厄から守るために設置されるので集落の中心部にあることは珍しい。しかし、渡嘉敷に住み始めた草分けの家々(門中のムートゥヤー)の配置を考えると、石獅子があった場所は、南西方向の村はずれであったことが分かる。それが時代を経て家々が増えてきたことによって集落の中心に位置するようになったと考察される。現在は集落の南東側、公民館横のウマイー(馬場)に移動し、移設後も変わらず保栄茂グスクに向かって立ち、集落に災いが入ってこないよう鎮座している。

 現在でも正月や旧暦五月に門中単位でシーサーへ拝みが行われ、字渡嘉敷の方々に大切にされている。

英訳文

 The Shisa (lion dog statues) are guardian deities that ward off evil forces from outside the village. They are often erected facing a hill, forest or cave considered to be the source of such evil forces. The Shisa of Tokashiki faces the Bin Gusuku, a large rock near the Iriutaki sacred site on the southern side of the village.
 The large rock of Bin Gusuku has the appearance of “Tokashiki Kwa Kwa”, a wide-open mouth attempting to swallow the Tokashiki village. The Shisa was hence erected to drive away its malicious power. Old tales also say that the Shisa was established in prayers for fire protection because the community suffered from many fires.
From the pre-war era until just recently, the Tokashiki Shisa was located along Route 123, a municipal road running through the middle of the village. Today, the Shisa has been relocated to the Umaii horse-riding ground located next to the community center on the southeast side of the village. It still faces the Bin Gusuku and blocks evils from entering the community.
 The people of Tokashiki continue to revere the Shisa and pay homage in extended family groups to offer prayers on New Year’s Day and May of the lunar calendar.

参考文献

  • 豊見城市教育委員会 2016『字渡嘉敷のシーサー』文化財説明板
  • 豊見城市教育委員会 2008『豊見城市史 第二巻 民俗編』425ページ
  • 豊見城村教育委員会 2002『豊見城村の文化財』33ページ
渡嘉敷のシーサーと大岩の説明図

渡嘉敷のシーサーと大岩の図

温室のある平野の奥に、なだらかな丘陵があり、木々が生い茂っている写真

シーサーの向いている保栄茂グスク西側

字渡嘉敷のシーサーの説明図

文化財説明板の文面

地図

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作成日

平成28年2月22日

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