イリヌシーサー [真玉橋]

更新日:2023年02月01日

「イリヌ・シーサー」と書かれた案内表示と、口を大きく開けた獅子の石像、説明文の書かれた台座が並んでいる写真
  • 地域:真玉橋(まだんばし、方言名 マダンバシ)
  • 種類:シーサー
  • 状態:現物があります。見学できます。
    • 文化財標柱(2005年2月設置)
    • 文化財説明板(2015年2月設置)
口を大きく開け、とがった歯が目立っているシーサーの石像の写真

漆喰で迫力のある顔のシーサー

 集落に置かれるシーサー(石獅子)は、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気をはね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【山丘や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。字真玉橋には、2体のシーサーが集落内の別々の場所に置かれている。

 このシーサーは、地元では「イリヌシーサー」と呼ばれ、集落西側に位置し、かつては漫湖に浮かんでいたガーナー森に向けて立てられたのだという。昔、ガーナー森は大きな魔物で、真玉橋の人々を食べようと夜な夜な襲ってきた。村人が困っていたところ、天から3つの大きな石が降ってきて、魔物の尻尾を押え付けたため、魔物はそのまま動けなくなり湖面に浮かぶ小島・ガーナー森になったという。村人たちは神の加護に感謝し、以後ガーナー森が襲いかかってこないよう、シーサーを置いたと伝えられている。

 イリヌシーサーは、戦前までイリグムイ(用水池)の傍に置かれていたが、戦後は位置の変遷があり、現在は国道329号那覇東バイパス脇の道路沿いに据えられている。ガーナー森はすっかり陸地になってしまったが、イリヌシーサーは今でも西の方角の魔除けとして集落を守っている。

 現在、字真玉橋では「シーシウガミ」と称して旧8月15日にはアガリ、イリの両シーサーに果物や饅頭を供え地域の災いを防ぎ住民の健康祈願を行っている。

英訳文

 The Shisa is locally referred to as Iri-nu Shisa(Western Shisa), and is said to have been initially placed facing the Gana Forest which floated on the waters of Manko Lake.

 As legend has it, the Gana Forest was a giant monster which attacked the people of Madanbashi. As the residents were left in fear, three stones fell from the heavens and held down the monster by its tail. The monster became unable to move and eventually became the Gana Forest, an islet on the Manko Lake.  The people of the village thanked the gods for the blessing and since then, they placed the Shisa so that the Gana Forest would not attack again.

 On august 15 of the lunar calendar, people offer fruits, manju steamed buns, and prayers to both the Eastern and Western Shisa, asking for safety against harm to the area and for the good health of the residents.

参考文献

  • 豊見城市教育委員会 2015『字真玉橋のシーサー(石獅子)』文化財説明板
  • 真玉橋自治会 1991『真玉橋の聖地と祭祀』
  • 豊見城村教育委員会 2002『豊見城村の文化財(増補)』豊見城村教育委員会
  • 豊見城市市史編集委員会 民俗編専門部会 2008『豊見城村史 第二巻 民俗編』豊見城市役所
字真玉橋のシーサー(石獅子)の説明図

文化財説明板の文面

住宅に囲まれた大きな湾の中に、木で覆われた小島が浮かんでいる写真

島であった頃のかつてのガーナ-森の姿
[写真提供:上原正徳氏・超ローカル「小禄 -OROKU- うるく」 ガーナームイ]

地図

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作成日

平成29年3月31日

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