令和2年度地方財政状況調査

 令和2年度の普通会計における決算状況において、歳入総額は34,262,537千円で6,574,509千円(対前年度比23.7％)の増、歳出総額は33,739,948千円で6,599,124千円(対前年度比19.6%)の増となり、歳入総額、歳出総額ともに前年度を上回る決算となった。形式収支は、扶助費や補助費等が増となったため、24,615千円(対前年度比4.5%)減の522,589千円となった。形式収支のうち234,837千円が翌年度に繰り越すべき財源で、実質収支は116,623千円(対前年度比28.8%)減の287,752千円となった。

 歳入において、市税については堅調な人口増加に伴う個人市民税の増加や宅地開発の影響に伴う課税客体の増により固定資産税も増加し、結果として63,080千円(対前年度比0.9%)の増となった。地方交付税は普通交付税の増額により132,541千円(対前年度比3.8％)の増、国庫支出金は、8,027,905千円（対前年度比132.1％）の増となった。国庫支出金の内訳は、特別定額給付金や地方創生臨時交付金、公立学校情報機器整備費補助金では増となったが、豊見城中学校改築に伴う普通建設事業費支出金は減少となった。県支出金は、176,850千円（対前年比4.9％）の減となった。県支出金の内訳は、道路事業に伴う普通建設事業費支出金の減少により沖縄振興公共投資交付金は減、学校給食長寿命化事業及び教師用タブレット整備事業の減少等により沖縄振興特別推進交付金（市町村事業分）が減、放課後児童クラブ支援事業補助金の増加により沖縄振興特別推進交付金（県事業分）は増となった。

 歳出においては、人件費は、一般職給及び会計年度任用職員（ハ゜ートタイム）等の増により501,340千円(対前年度比16.3%)の増、扶助費は教育・保育給付費負担事業、障害福祉サービス費、ひとり親世帯臨時特別給付金、生活保護費の増により925,812千円（対前年度比10.1%)の増、公債費は学校教育施設等整備事業債、公共事業等債の元利償還金の減少により77,044千円(対前年度比3.7%)の減となり、義務的経費［人件費、扶助費、公債費］は15,634,990千円で1,350,108千円(対前年度比9.5%)の増となった。普通建設事業は、補助事業においては豊見城中学校改築事業、ブロック塀・冷房設備対応臨時交付金事業、市道286号線沖縄振興公共投資交付金事業の減少により642,341千円（対前年度比24.1％）の減となり、単独事業においても上田小学校事業、豊見城中学校改築事業等の減少により541,088千円（対前年度比41.5％）の減となり、投資的経費全体としては2,780,445千円で1,183,429千円（対前年度比29.9％）の減となった。物件費は、公立学校情報機器整備事業、新型コロナウイルス対応事業所応援消費喚起推進事業、ふるさと納税推進事業等により745,171千円(対前年度比25.2%)の増、補助費等は、特別定額給付金、首里城寄附金、放課後児童健全育成事業、新型コロナウイルス対応事業所感染予防対策推進事業等により6,988,867千円(対前年度比361.3%)の増となった。

 主な財政指標においては、「経常収支比率」は、分母である経常一般財源等の地方消費税交付金や地方交付税等の増加、分子である一般財源等充当経常経費のうち、物件費及び補助費等、公債費の減少が影響し94.4％から91.0％へ3.4ポイント改善した。「実質収支比率」は、分母である標準財政規模の増加や補助費等や扶助費、物件費等が増加したことに伴う実質収支の減により、3.5％から2.4％へ1.1ポイント悪化した。「公債費負担比率」は、公債費充当一般財源の減により、12.8％から12.3％へ0.5ポイント改善した。また「財政力指数」は、0.64から0.65へ0.01ポイント上昇した。